フリー神話『デュシスとアントリエー』
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作品として投稿しようかと思いましたが、
サイト運営者に迷惑がかかると何なので、 ブログに書きます。 児童文学同人誌『シジュウカラ』に掲載拒否された問題作。 いや、問題になったのは後書きだと思うんだけど。 ★デュシスとアントリエー あるところにアレシアという娘がいました。両親がおらず、小さな家にひとりで暮らしていました。ほとんど外には出ませんでしたが、あまりにも美しかったので、国中の評判になりました。 そんなアレシアのもとには、ふたりの若者が通っていました。ひとりはデュシス。もうひとりはアントリエーです。 デュシスとアントリエーはアレシアに求婚しました。するとアレシアは、自分は本当は人間ではなく、太陽神アポロンの娘だといいます。 人間と結婚するには、アポロンの許しをもらわなくてはなりません。しかしアレシアは、アポロンと一度も会ったことがありませんでした。 いつも窓辺にすわって、父である太陽神が天を駆けるのを見つめていました。 デュシスとアントリエーは、太陽神アポロンに会いに行くことを決心します。 デュシスは天翔る太陽を追って、西へ旅立ちました。 アントリエーは、いつか昇ってくる太陽に出会うべく、東へ旅立ちました。 ふたりが去ったあと、アレシアは小さな家で帰りを待ちました。 夜が過ぎ朝が近づきました。アントリエーが東へ歩いていると、光り輝く天馬に引かれ、太陽神アポロンの姿があらわれました。神の光と熱をあびて、アントリエーの服も髪も燃えあがり、ついに焼け死んでしまいました。 一方、西へ旅しているデュシスは、太陽神のいない寒さと暗闇だけの氷の世界を、いつまでも永久に歩き続けています。 アレシアは、窓辺にすわって父である太陽神を見あげながら、ふたりの帰りを今でも待っているということです。 おわり ※この「デュシスとアントリエー」は、フリー(商用・非商用問わず利用自由)の神話とします。このまま二次配布するもよし、内容をふくらませて何かの作品にするもよし、ご自分の作品中に登場させてもかまいません。改変その他、一切OKです。その際、作者に連絡をとる必要もありません。 日本の法律では作者が著作権を放棄できませんが、それに近いものとします。 |